第1章 夏の思い出作り(赤)
「おかえり~。ごめんなぁ」
「いいえ…」
気持ち悪いの我慢して
何とかお店の中に戻った。
話しかけても
無視されるし
帰る事言わなくてもいっかな。
とにかく立ってるのが辛い。
「ちゃん」
「………はい」
「これ」
「あ、ありが…とうございます…」
「暑いからマメに取らな倒れてまうで?」
「…………はい、気を付けます」
差し出された
氷入りの水が入ったグラスを受け取る。
帰る事、大倉さんには言わんとやんね…
1口だけ水を飲んで
大倉さんを見る。
「……あ、あの、大倉さん」
「どうしたん~?」
「その…」
「あ、お茶が良かった?」
「えっ、や、そうじゃなくて…」
「……………?」
「………帰…」
「大倉ー」