第1章 夏の思い出作り(赤)
お姉さんが変態の肩へ
しなだれかかって
何やら約束をしていた。
もはや"お邪魔虫"と化している自分。
もう荷物…置いてこ。
変態に処分して貰えばいいや。
無視されてんじゃあ
取りにも行けないし。
出て来ようとする吐き気を
手の甲で押さえて我慢し
裏口へと向かう。
「ちゃん、どこ行くん?」
「え…?あ…ちょっと、足を洗いたくて…」
「あ、なら使って悪いんやけど…裏の水道のとこにバケツ置いてるから水入れて持って来てくれへん?」
「はい…」
「ごめんなー」
「いいえ…」
瓶ビールとグラスを
お姉さんのとこへ持ってく大倉さん。
帰るって言いそびれちゃった。
とりあえず
バケツに水汲もう。
「っ…」
やっぱり気持ち悪い…
ちょっと寒気もする。