第4章 お鍋の日。
「ヤスがずっと運命の相手やって騒いでるから、俺らの中ではちょっとした有名人なんやで?」
横から顔を覗き込まれ
思わず肩を竦め身構える。
このまま無事に
お店へ辿り着けるかな…
と、不安になるくらい
渋谷さんとの距離に
寒さも忘れてるくらい
頭ものぼせそうになっていた。
「ちゃん…」
「は、はいっ」
「鼻真っ赤、」
「えっ、嘘!?」
慌てて鼻を押さえれば「うん、嘘」だなんて
悪戯な笑顔で言われる。
こんな表情もするんだぁ、と
新たな1面を見れた気がして
嬉しくなっちゃった。
これを恋と言わずに
何と言うのだろうか?