第4章 お鍋の日。
「全然大丈夫です…」
「ごめんな。どこで嗅ぎ付けたんか、ほんまついさっき来て…秘密にしてたんやけど」
と、私に合わせてくれたのか
ゆっくり歩き出した。
お互いの肩が
歩く度にぶつかってはくっつく。
握って良いのかな?と思うくらい
触れそうで触れないとこにある手。
あまりにも近い距離に
早く動く自分の心臓を落ち着かせる為
歩く速さを落として
距離を開けようとすれば…
「秘密にしとかんと全員来るから」
なんて言いながら
私の思考を読み取ってるのか
お互いの腕が触れ合う距離までに
詰め寄られた。