第2章 月明かりの下での出来事。
「こんばんは…」
「もう買い物終わったんや」
「はい。今からです…よね」
「せやねん…って、めっちゃ買ってるやん」
両手に袋を抱えてる私を見て
握り拳で口を隠し
くくくっ、と笑った。
この笑い方、可愛い。
「野菜安かったんで、つい…」
「安いと買ってまうよな」
「で、ですよね!今もみかんが気になってて」
「みかん?あー、安いなぁ。買わへんの?」
「買い過ぎちゃって。持てる自信が無いです」
「あぁ…」
「だから、諦めます」
「諦めるんや」
くしゃとなる笑顔。
なんかつられて笑っちゃう。