第12章 新しい日常。
髭から左頬へ手を移動させ
黒いそれに触れて
そっと撫でる。
「…………優し過ぎやろ、触り方」
目を細めて擽ったそうに笑った。
あ、この笑顔も好き。
「これは誘われてんの?」
「誘う…?」
「私を抱いてって」
「ち、違います!」
「違うんや、そりゃ残念」
「ほっぺと首筋にホクロあるから触っただけです!けして、さ、誘ってなんか…」
「そない顔赤くして否定せんでもえぇやん。まぁ、治ったら誘ってや?俺はいつでもどこでもウェルカムやから」
「なっ…!」
ボッと熱くなる顔。
そんな私を見て嬉しそうに笑う。
いつでもはまだ良いとして…
ど、どこでもって!
「体調戻っても絶対言いません!」
「んじゃあ、今夜また無理させてまうかもな」
と、妖しげに微笑む。