第12章 新しい日常。
昨日1日体が怠かったのは自分のせいだ、と言った渋谷さん。
私の体を気遣ってくれて
昨夜はただ抱き合い
時折キスしたりしただけ。
「…………じゃあ、もう絶対言わないです」
少し見上げた視線の先には
片方の口角が上がり
余裕の笑みが唇に現れて。
その笑みは渋谷さんのスイッチが入った証拠…
「えぇよ、言わんでも」
唇と唇が近付き「勝手に抱くから」とキスされ。
目を閉じて受け入れて
何度も味わってるこの感触に
とろけていく頭の中。
口の中で絡み合うお互いの舌。
まさか自分がこういう経験出来るなんて思ってなかった。
もしかしたら
今までして来た恋が
実らなかったのは
渋谷さんと会う為だったんじゃないかな、なんて
珍しく信ちゃん並のポジティブになったり。