第12章 新しい日常。
「ふふっ…」
幸せ過ぎて頬は緩み
口角が勝手に上がってく。
アラームが鳴っても起きないなんて
眠りが深い人なんだ、渋谷さん。
「……………………」
びくともしない寝顔を見つめてても
目が行くのは、やっぱり唇で。
何回もしてるんだよね、キス。
思い出して恥ずかしくなる反面
したいな、なんて思ったり…
「(しちゃっていいかな…?)」
なんだか凄くしたい。
起こさぬよう
隣に寝そべり
そっと顔を近付け
目を閉じる。
そして、唇の温もりが
伝わる距離になった時…
いきなり後頭部を押さえ込まれ
自分の意思とは関係無しに
重なり合う唇。
「んっ…」
口の中へ入って来た
舌に応えてると
押し倒されたような
体勢に持ってかれた。
自分からするはずだったキスは
結局、されてしまう事に…