第11章 夢のようで。
「もしかしたら、わざと妬かせようとしちゃうかもしれません」
「…………えぇよ。してくれた方が部屋連れ込んで抱ける口実になるし」
不安そうだった表情が
嬉しそうなものへと変わり…
頬にあった両手は
いつの間にか離れていて。
片方は腰へ回され
もう片方は手首を掴み
グッと体を抱き寄せられる。
「し、渋谷さん…?」
初めてではないけども
腰にある手に焦る。
退けようとしても
これでもか!と
体が密着してくだけ。
それでもお構いなしに「ちゃんがかまへんなら…さ」と今度は顔の距離が縮められ…
「付き合おうか、俺ら」