第11章 夢のようで。
なんでそんな事言うの?
好きって
耐えられないって
言ってくれたじゃない。
心の中も頭の中も
渋谷さんの事で
いっぱいなのに。
今更、無理だと
言われたって
もう遅い…
「毎日、とは言わんけどかなり抱くで」
「へっ…?」
声が上擦る。
そんな私を
表情も変えずに見つめ
もう片方の頬へ
手が添えられた。
「………めっちゃ嫉妬する」
「え?」
「やから独占欲も強い」
「あ、あの…」
「鍋の日もカラオケん時も一昨日も…ちゃんが誰かと居ったり喋ってるの見ただけで抑え切れんかった、自分のにしたいって」
次々と放たれる言葉。
だいぶ前、ハマって見てたドラマに
同じような台詞があったなぁ…
なんて考えられる程
少し余裕があって。
そうなっちゃうのは
今の、この状況があまりにも
自分に好都合過ぎて
もしかしたら、自分はまだ寝ていて
夢なんじゃないかな、と思うから。