第11章 夢のようで。
ドラマみたいな台詞を
まさか自分が言うなんて
思っても無かった。
「………他にも居るやろ?ほんまは」
「え?」
そんな人居ないのに
なんでそんな事言うのか。
ちょっと傷付いたり。
私は人の気持ちを
両天秤にかけられるような術は持ってない。
「居ません…」
「じゃあ、一昨日は駅でいちゃついてたのは?昨日なんかめっちゃ電話して来てたやん」
そう言われて直ぐ様思い浮かんだのはたった1人。
信ちゃんしかいない。
渋谷さんは信ちゃんを
私の彼氏だと勘違いしてる…って事?
「ち、違います!信ちゃんとは渋谷さんが思ってるような関係じゃないですっ!」
「なら、どんな関係?」
体を少し離して
不信な目線で見つめられる。