第11章 夢のようで。
忘れられる訳ない。
最初で最後だと思って
仕草や言葉、1つ1つを全部
体、頭にしっかりと記憶させたもん。
だから、またあの匂いと温もりに包まれて
凄く嬉しいって心が喜んでる。
声を聞けて
顔も見れた。
それだけで幸せ。
「……俺にしてや」
「へ…?」
「ちゃんが他の奴に抱かれてんの想像しただけで耐えられへん…」
ギュッ…とまた抱き寄せられ。
消え入りそうな切ない声に
胸が締め付けられる。
「わ、私だって…渋谷さん以外嫌です」
背中に手を回して
渋谷さんを自分に引き寄せた。