第11章 夢のようで。
クリスマスは一緒に過ごす、とか
屋台のおじさんに見てもらう、とか
意気込んだけど…
割り切り、とか
女の傷は女で癒やす、とか
そんな錦戸さんの言葉だけが
はっきりと耳に届いた。
自分はやっぱり
そういう扱いだったんだと知ったら
段々、馬鹿らしくなって…
だけど、いざ渋谷さんの姿を
目の当たりにしたら
辛さや寂しさを埋めるだけの役目でも
傍に居られるならそれでも良い…
なんて馬鹿な事を本気で思って。
「ダ、ダメですよ、そんな…」
好きって伝えて
ごめんって断られて
今日で本当に最後にしようって
決めてたのに。
なんで"好き"だなんて言うの…