第10章 抑え切れない気持ち。
コートのポケットにある
自分の部屋の鍵を取り出し
後ろを振り返り
亮と大倉へ渡そうとしたら…
「やっぱ俺ら帰るわ」
「ほなねぇー」
と、ニヤニヤしながら
エレベーターへ消えて行った。
何やねん。
何しに来たんや、あいつら。
まぁ、どうでもえぇけど。
そんな事より
早く部屋連れてったらな。
「………ごめんなさい…」
「何が?」
「3人の時間を邪魔しちゃって…」
「えぇよ、そんなん。別に約束してた訳ちゃうし」
俺の言葉を最後に
会話は交わさず
ちゃんの部屋の前まで着いた。