第9章 溢れる想い。
『何しとんねん、この不良娘が』
「不良娘って…」
空が明るさを取り戻し
肌を凍てつくような
冷たい風が吹く通勤路。
白い息が何度も現れては消え…
「電源切れたんだから仕方ないでしょ」
『それは聞いたわ。問題はどこで過ごしたか、やろ』
「どこって…」
『まぁ…こうやって電話出来てるって事は変な事には巻き込まれてへんちゅー訳やからえぇけどな』
「何よそれ」
『どうした?なんかあったんやろ?』
「何もないし。もう充電無いから切るよ…あ、帰ったらみっちゃんに連絡するから」
『おー。めっちゃ心配してたから頼むわ』
「はーい。じゃーねー」
と、通話を切り
電池が8%なのを確認して
スマホの電源を切った。