第9章 溢れる想い。
休む隙無く重なり合う唇。
頭の後ろに回された手が
離れる事を許してくれない。
どうしよう…
もう何も考えられないくらい
頭がボーッとして来た。
「………しぶ、た…にさん、」
唇が離れる隙を狙い
何とか出た絶え絶えの声。
もうどうなってもいい…
間違えて後悔するのは自分だから。
「……止めた方がえぇ?」
優しい問い掛けに
小さく首を横へ振れば
嬉しそうに上がった口角。
その表情、この状況に
心拍数は限界を超えたかもしれない…
ドキドキする中
またもや唇が重なった。
それに応えるよう背伸びし
首へ腕を回して受け入れる。
今夜、経験する事は何があっても忘れない…