第7章 どこまでも主役になれない。
「………やったら帰ろか」
「…すみません」
心なしか声が冷たく感じて…
怒らせちゃったみたい。
これ以上怒らせぬよう
シートベルトに手をかけるも
気不味くて少しもたついてたら
面倒臭そうなため息が聞こえた。
「……っ…」
早く帰りたい…
こんな空気になったのは
自分のせいなのに
耐えれなくなってる。
何をされても良いなんて思った自分が
本当に馬鹿らしくって情けない。
会話も無くなった車内は
何だか居心地が悪くて…
マンションに着くまで
ずっと外の景色を見てた。