第7章 どこまでも主役になれない。
「ほら、白い!」
はぁー、はぁーと
楽しそうに
息を吐く丸山さん。
その隣には渋谷さんが居て。
2人の後ろを
はぐれないくらいの距離で着いて行く私。
近くを歩くだなんて
恐れ多くて出来ない。
さっきからすれ違う女の人達全員が
渋谷さんと丸山さんを見てるんだもん。
すごいなぁ…
歩いてるだけで
人の注目を浴びるって。
「………………」
ふと目に止まった
ショーウィンドウ。
そのガラスへ自分を写せば
無駄に着飾ってる
不格好な姿をしていて…
浮かれて頑張った自分が
馬鹿らしくて惨め。