第1章 秋の終わりは始まりの合図。
「マンションなんです、ユニットみたいな名前の」
「…………もしかして、ユイットマンションですか?」
私の質問に、あっ!!という顔をする。
どうやら正解のようで。
「そうっ!それ!それです!すごい!なんで分かったんですかっ?」
「そこに住んでるんです、私」
「えぇっ!?ほんまですか!?」
「はい」
「めっちゃ偶然ですね!!僕の友達も、そこに住んでるんですよ!!」
急にテンションが上がり出した彼。
あまりの喜びように
彼みたいな喜びが自分には無くて
申し訳なくなる。