第1章 秋の終わりは始まりの合図。
「すみませーん!」
私にかな?と
不安ながらも振り返る。
思ってたよりも近くに
人が立っていたから
びっくりして体がビクッとなった。
「この辺の方ですか?」
申し訳無さそうな表情を浮かべる
スーツ姿の小柄な男の人。
「はい、そうですけど」
「ほんまですか!?助かったぁ…ちょっと道が分からんくなってしまって…教えて貰えませんかね?」
「良いですよ、どこですか?」
「えっと、確か…ユニット…いや、ちゃうな…なんやったかな…」
うーん、と顎に手をやり
ブツブツ呟き
難しい顔で考え出す。
その姿を
ボーッと見てるだけの私。