第6章 06.球技大会
理恵にそう言われるのは何度目だろうか…。
なんて考えていると、景吾と目が合った。
跡「今日の部活は休みだ。」
『へ?』
跡「お前もう帰れ。あと外をどうにかしろ。」
『外?』
近くの窓から校門を見ると、なぜかごった返しになっていた。
『何あれ?』
風「あんたの兄弟達だよ」
『風斗?って、私の兄弟なら、風斗の兄弟でもあるでしょ!』
風「あんな奴らと一緒にしないで欲しいんだけど。」
『またそんなこと言ってー。』
まぁ、イケメン大好きな氷帝の生徒が騒がないわけがないと思ってたけどさ。
『明日は部活休みだよね?』
跡「ああ」
『じゃあ、久しぶりにゆっくりしよーっと!あ、お姉ちゃんとお出掛けしようかな♪』
忍「お姉ちゃんなんか居ったんか?」
理「ほら、この前家族増えたって喜んでたじゃない」
向「あー、そういえば」
『じゃ、私帰るねー!風斗、行くよ!』
風「僕も行くの?」
『当たり前でしょ!じゃーね、みんな!』
手を振ってみんなと別れ、ごった返しになっている校門へ向かった。
風斗が現れてさらにごった返しになったのは言うまでもない。
ちなみになぜか私も囲まれてしまっていた。
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家に着いてから夕飯まで爆睡をしていた私は、あず兄に起こされて、リビングで夕食を食べていた。
絵「へぇ、そんなにすごかったんですかー」
椿「本当凄かったんだぜー!なー、梓!」
梓「うん、凌香が運動神経いいことは知ってたけど、ここまでとは思わなかったよ」
『そんな褒めないでよー。』
兄弟達の言葉に思わず照れてしまう。
すると、目の前に座っているすば兄が私をじっと見つめた。
昴「なぁ…お前、本当にバスケやらないのか?」
『すば兄?』
昴「練習の時から思ってたが、お前バスケの才能あると思うんだけど」
侑「すば兄がそこまで言うんだったら、本当にすごい試合だったんだな!俺も行きたかったー!」
侑兄はキラキラな目で私を見る。
あ、穴が開きそう…。
『確かにバスケは楽しかったし、テニス部入ってなかったら、もしかしたら今日の勧誘で入ってたかもしれないけど…』
学校で景吾達が言ってくれたことを思い出すと、心が温かくなる。