第6章 06.球技大会
どうやらビンタされてるとこをしっかり見られていたらしく、みんなの顔が険しい。
雅兄から手渡された濡れたタオルを頬に当てる。
冷たくて気持ちいー…
椿「まだ赤い…」
梓「大丈夫?」
『大丈夫だよー。これくらい!』
要「ダメだよ、女の子なんだから」
冷たさからタオルを取るとかな兄に再度タオルを頬に当てられる。
「あ、あの…っ」
『ん?…あ、さっきの…』
「さっきはごめんなさい!私、どうかしてた…」
『私は大丈夫だから、気にしないで、ね?』
「でも…」
『じゃあ…私の友達になってくれる?』
「え…?」
私の発言に彼女は目を見開いてしまう。
『私さ、見ての通り周り男ばっかなの。』
側から見れば、自慢みたいに聞こえるかもしれないけど、彼女はちゃんと話しを聞いてくれている。
『でね、女の子の友達が数える程度しかないんだ』
私がそう言うと、彼女は顔を上げた。
「分かった。私…あなたを守る」
『え?』
今度はこっちがキョトンとする番。
そして何故だか、彼女に抱きしめられた。
なにごと?
「何かあったら私に言って。絶対あなたを守ってみせる。あ、私、D組の有川瞳。よろしくね。」
『え?あ、うん…瞳、ちゃん?』
私は再度、彼女…瞳ちゃんと握手をした。
瞳ちゃんは…ある意味危険な香りがします。
棗「…お前、人気者だな」
『???』
風「あ、壊れた」
私はしばらくそこから動けなかった。
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京兄の美味しいお弁当を食べたら、更にパワーが増したのか、決勝まで登りつめていた。
今のところ、私のクラスは男女バスケが勝ち進んでいて、他はすでに敗退していた。
クラスの殆どが応援席にいる。
そして…
瞳「L・O・V・E!凌香!ファイトー!」
「「「ファイトー!!」」」
何故か私の応援歌?が出来ていた。
氷帝コールとかで慣れてるウチの学園は恥ずかし気もなく、叫んでる。
…ついでに言うと、何故か朝日奈家も一緒になってる。
もはやただの球技大会ではない。
しかし、私だけではなかったのだ。
隣のコートでは男子バスケも決勝戦をしていた。
風斗率いるB組対景吾率いるD組の戦いだ。
「「「氷帝!氷帝!氷帝!」」」
「「「勝つのはD組!負けるのB組!!」」」
「「「風斗様ーー!頑張ってぇえええ!!」」」