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【ブラコン×テニプリ】Treasure

第4章 04.試用期間終了



『あのね、すば兄…なつ兄と同じこと、言ってたんだよ?』
棗「同じこと…?」
『そう。“後悔しないようにしろ。”でも、“やるからにはしっかりやれ。”…て。』
棗「そうか…」
『やっぱり、なつ兄とすば兄は兄弟なんだね。そして多分、すごく似てるだろうね…」
棗「そう、なのか?」
『そうだよ。…いつか、和解できるよ。きっと…』
棗「…ああ、ありがとな」

なつ兄は再び私の頭を撫でてくれる。

『(落ち着く、な…。)』
棗「着いたぞ。」
『うん、ありがと!なつ兄、寄ってかないの?」
棗「ああ。これから仕事だしな。」
『そうなんだ…』
棗「んな顔すんな。あ、これ、この前渡し忘れててな…」
『これ…!』

なつ兄に手渡されたものは、新作ゲームだった。

棗「これ、欲しかったんだろ?」
『うん!すごく!!くれるの?』
棗「ああ。少し俺の会社も関わってたからな。」
『すごい…!ありがとう!』

このゲームはすごく欲しかったんだけど、マネージャーをはじめてから販売され、買いに行く時間が無くてなかなか手に入らなかったゲームなので、すごく嬉しい…。

棗「ンな嬉しいのか?」
『嬉しいよ…!帰ったら絶対やる!』
棗「それはいいが、明日遅刻すんなよ。」
『う…頑張る…』

私の自信ない返事になつ兄は苦笑いを浮かべる。

棗「じゃぁな。また近いうちに顔出すから。」
『うん!絶対ね!』

私は車から降りて、なつ兄の車が見えなくなるまで手を振った。

『(そういえば、来月末に来る…お姉ちゃんはゲームするのかな…?もしするんだったら、絶対一緒にやろう…!あー、本当に楽しみだなー…っ!)』

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梓「随分とご機嫌だね。」
『あず兄!実はなつ兄にね…』
梓「棗…?逢ったの?」
『う、うん。今日学校に迎えに来てくれてね』
梓「へぇ…。棗が、ね…」
『あ、あず兄…?』
梓「ん?なに?」

なんだかあず兄の後ろが黒い気がするんだけど…気のせいかな。
それから、あず兄にジャージのことを聞かれ、私は自慢するように今日の出来事をあず兄に話した。

そしてゲームは真夜中までやってしまい、遅刻はしなかったものの、各自のお弁当をつくったり、すば兄のドリンクをつくったりする事を怠ってしまった。
みんなは笑って許してくれたけど…。

『(これじゃダメだ…っ!しっかりしないと!)』

…と、反省する私だった。
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