第4章 04.試用期間終了
クラッカーの紐にまみれてる私はみんなの思わぬ歓迎ぶりに涙が溢れてしまった。
向「なっ、何、泣いてんだよ!?」
『ご、ごめ…嬉しくて…っ』
忍「そんなんで泣いてたら、これ渡したらもっと泣くんやない?」
忍足が手にしてるのは、ピンクの…
『ジャージ?』
跡「特別に作らせた。広げてみろ」
私は袋からジャージを出すと、なんとそれは氷帝テニス部の水色のジャージのピンクバージョンだった。
私は嬉しさからさらに涙が溢れ出した。
芥「あー!忍足が凌香泣かしたー!」
忍「嬉し泣きやろ」
跡「んな、羨ましそうに見てんなよ、理恵。ほら。」
理「え…?」
跡「お前の分だ」
理恵が渡されたのは私と同じ、ピンクバージョンの氷帝テニス部のジャージだった。
ようは、私とお揃いのジャージ。
『理恵…っ!』
理「凌香…っ!」
思わず私たちは抱き合った。
宍「せっかくだから、着てみたらどうだ?」
宍戸のその言葉に私たちは顔を見合わせ、一緒に更衣室へ入った。
数分後、私と理恵は手を繋いで更衣室を出た。
鳳「お二人とも似合ってますよ!」
長太郎の言葉で私達は照れ笑いをした。
芥「凌香とお揃い嬉しいー!」
理「私は〜?」
芥「もちろん、理恵も!」
『よかったね、理恵。嬉しいね』
理「うん!嬉しい!また明日からよろしくね!」
『うん…よろしくね、みんな!』
私の一言でみんな、各自で頷き、返事をしてくれた。
『私、このまま帰る!』
理「私も!」
跡「今日だけだからな。…帰るぞ。」
跡部の言葉で各自が立つ中…
ーー電話だよー☆早く出てあげてー!
『!?』
び、ビックリした…私か…
芥「何今の着ボイスー!」
忍「どっかで聞いたことあるような気がするんやけど…?」
2人の言葉に苦笑いをすると、私は電話に出た。
『も、もしもし?』
?「部活終わったか?」
『この声は…なつ兄?』
棗「ああ、そうだ。なんだ画面見てなかったのか」
『あ、うん。ちょっとビックリして…。で、なんかよう?」
棗「あ、ああ…実は今、お前の学校の前に居るんだが…」
『は…っ!?』
棗「いきなり悪い。ちょっと立ち寄ったんでな。あと、今日でマネージャーの試用期間終わりだろ?ちょっと気になってな…」
『あー、なるほど…じゃあ、今から行くね』
そう言って私は電話を切った。