第3章 【告白編】
大慌てで家をでて、待ち合わせの遊園地までダッシュで向かう。
そうだ、遅れるって電話・・・ってなんで充電ないんだよ!
浮かれすぎてまさかの充電忘れ、だったら公衆電話って全然見つからない!
寝坊といい充電忘れといい、あーもう、菊丸様、一生の不覚!
結局連絡取れないまま、待ち合わせの場所に着いた時には、約束の1時間も後のこと・・・
まさか璃音ちゃん、怒って帰ってたりしてないよな・・・?
不安に思いながらキョロキョロと辺りを見回すと、受付の隅に俯く璃音ちゃんを発見!
あぁ、良かった・・・、ほっと胸をなでおろし、急いで彼女に駆け寄った。
「ハァハァ・・・ゴメン!」
まさか、こんな時にいつもの調子で「おまたへ」とか言えないじゃん?
顔の前で大きく両手を合わせ、深々と頭を下げる。
だけど璃音ちゃんからの返事はなくて、やっぱ、怒ってる・・・?、そう不安に思いながら、片目だけあけてそ~っと彼女の顔を覗き見た。
恐る恐る覗き込んだ彼女の顔は、一瞬ビックリした顔をしていて、そして優しく微笑んで・・・
「先輩・・・そんなに慌てなくても大丈夫ですよ?」
う、うわぁ、ヤバイ!メチャクチャ可愛い!!
ちょっと赤い顔で・・・柔らかい表情で・・・
抱きつきたくなる衝動を抑えるのに必死だった。
だって今日はバッチリ決めちゃる!って決めてきたんだもんね。
いつものような軽いノリじゃ、信じてもらえなそうじゃん?
本当にゴメン、もう1度あやまり、オレたちは遊園地へと入って行った。