第7章 【バレンタイン編】
「ね、これ、食べてもいい?」
「え?、あ、うん、もちろん、どうぞ?」
「いっただっきま~す!・・・ん~、甘~い!おいしぃ~♪」
璃音のチョコは作った本人のようにと~っても甘くて、口に含んだ途端、ふわっと溶けてなくなった。
「ね?、璃音も一緒に食べよ?」
「でも・・・英二先輩のが・・・」
「いいから、いいから~。はい、あ~ん?」
「えぇ・・・!?」
最後の1個を指でつまんで差し出し、食べるように促すと、璃音は、それだけのことで真っ赤になって照れるんだ。
付き合いはじめてからもう結構たつのに・・・
キスだって何回もしているし、それ以上のことだって・・・
いつまでも新鮮な反応の璃音は本当に可愛くて、オレってば、ついつい意地悪したくなっちゃうんだよねぇ~?
「ほらぁ、は~や~く~?」
「で、でも・・・」
「早くしないと、口移しで食べさせちゃうぞ?」
「た、食べます!、食べますぅ!」
慌てた璃音がオレの指からチョコを食べる。
真っ赤な顔して、もう、と頬を膨らますしぐさがまた可愛いくて・・・
オレの指に付いたココアパウダーを舐めて綺麗にすると、璃音の唇にも同じようにパウダーが付いていて・・・
そんな璃音を見ていたら、またしてもオレのイタズラ心が顔を出して・・・
自分の指にしたように、ペロッと璃音の唇のパウダーを舐めとった。
「え、英二先輩!?」
「にゃはは~」
今度は唇を押さえて真っ赤になっている璃音を見ていたら、イタズラ心ではない別の感情が沸き起こる。