第7章 【バレンタイン編】
「そうそう、英二くん、今夜は夕飯食べて行ってね?、英二くんの大好きな、ぷりぷりエビフライにしちゃうから♪」
そんな璃音のかーちゃんの申し出に、やっりー!、そうブイサインで答える。
璃音のかーちゃんのぷりぷりエビフライが食べられるってことは、一緒に作る璃音のエビフライが食べれるってことで・・・
夕飯までずっと一緒にいられるってことも嬉しくて・・・
「そうと決まれば、早速、お買い物に行かなくちゃ!、玲音~!、お買い物に行くわよ~・・・って、あら?・・・玲音?」
そういえば、今日は玲音がまだ現れていなくて・・・
いつもなら、オレが行くと敵意むき出しで璃音にベッタリなのに、一度も顔を見せないのなんて初めてのことで・・・
「・・・お昼寝してるんじゃないの?」
「だって璃音が帰ってくる前はそこで絵本読んでたわよ・・・?」
璃音のかーちゃんが指さす先には、読みっぱなしにされたままの絵本が数冊・・・
私の部屋かも?、そう心配そうな顔をしながら璃音が部屋を確認しに行く。
「・・・きゃぁぁ!!!」
璃音!!??
部屋へ向かった璃音の悲鳴が聞こえて、慌てて駆けつけると、そこには放心状態で立ち尽くす璃音・・・
「・・・璃音、どったの・・・?」
呆然とする璃音の視線の先・・・
ゆっくりと確認すると、そこにいたのは口の周りに沢山のチョコをつけた玲音___
これって・・・
「・・・チョコ・・・」
「へ・・・?」
「玲音が・・・英二先輩のチョコ・・・」
璃音が玲音を指差し、オレのチョコって・・・?
ま、まさか・・・玲音の口の周りのチョコって・・・
もしかして~~~???
「玲音が・・・英二先輩のチョコ・・・食べちゃった・・・」
あぁ、やっぱりね・・・そう苦笑いで玲音をみるしかなかった。