第7章 【バレンタイン編】
「と、ところで先輩!・・・本当にうちで良かった?」
照れくさいのを誤魔化すように、わざと璃音が話題を変えてくる。
真っ赤な顔で恥ずかしがる璃音をもう少しからかっていたいけど、あんましつこくして機嫌を損ねても困るから、大人しくその話題にのっかっとく。
「なんでさ?、いいに決まってんじゃん?」
「だって・・・その、うち・・・玲音がうるさいから・・・」
「あ~・・・」
玲音は璃音の弟。
ねーちゃんである璃音が大好きだから、オレのことをずっと目の敵にしている。
まぁ、オレとしてはそんな玲音をからかうのも、璃音をからかうのと同じくらい楽しいんだけど・・・
「そんなの、別に気にしないよん?」
「だったらいいんだけど・・・いつも私の家ばっかりだし・・・もしなんだったら、英二先輩の家のほうが・・・」
申し訳なさそうに覗き込む璃音の言葉にハッとして、ダメだぞ!、そう全力でそれを否定する。
え・・・?、驚く璃音に、オレんちは絶対やだかんな!、そうもう一度断固拒否をする。
だって、オレの家は肝心な時に邪魔してくるオウムのタイチはいるし、口うるさいねーちゃん達はいるし、それより何より、バカエロにーちゃんがいるから絶対ダメだ!!