第7章 【バレンタイン編】
「失礼します。」
コンコン、とドアをノックして、お疲れ様です、と璃音が部室に入ってくる。
璃音!、早く行こっ!、みんなへの挨拶もそこそに、璃音の手をとり部室を出る。
「え、英二先輩、ちょっと待ってください!、私、まだ仕事が・・・」
「そんなの明日でいーじゃん!、そんじゃ、みんな、じゃーねー♪」
部室の後片付けだとか、マネージャー日誌だとか、そんなの待ってたら日が暮れちゃう!
今日はせっかくのバレンタインデートなんだ。
いくら時間があったって、全然、足りないんだかんね!?
「もう、先輩ったら・・・私、まだ仕事が残ってたんですからね?、明日海堂くんに怒られたらどうしてくれるんですか?」
「そんときは、そんとき!、オレが代わりにグラウンド走るからさ?」
「代わりにって・・・連帯責任で一緒に走らされますよ・・・?」
「はにゃ!、そっか・・・でもそれはそれで楽しそうじゃん?」
先輩にかかったら、何でも楽しみになっちゃうんですから・・・、そう言って呆れ気味に笑う璃音に、まーねー、なんて得意げにブイサインをする。
だって璃音と一緒なら、何してたって楽しいもんね!なんてウインクすると、璃音は頬を真っ赤にさせて、ソロソロと視線を泳がせる。
ああ、ほーんと、璃音ってば、すんげー、可愛い・・・