第7章 【バレンタイン編】
「バレンタインディ・キッス♪、バレンタインディ・キッス♪」
「クスッ・・・ご機嫌だね、英二。」
部活が終わり、部室で鼻歌交じりに着替えるオレに、不二が笑いかける。
ま~ね~、なんて答えながら、バレンタインディ・キーイッス!、そうさらに上機嫌で歌い続ける。
2月14日___
今日はバレンタイン当日で、それは世の中の男子中学生にとって年に何度かある一大イベントのひとつで、当然、それはオレにとっても変わらなくて・・・
「いいんすか~?、バレンタインだからってそんなに浮かれていると、後で小宮山に怒られるっすよ~?」
「そ、そうだよ英二、そんなに沢山のチョコ受け取って・・・小宮山さん、傷つくんじゃないか?」
あんまり浮かれているオレに、桃と大石が苦言を呈す。
桃は面白半分に、大石は心配そうな顔つきで・・・
「だいじょうび!、璃音はそんなんじゃ怒んないもんね!」
確かに朝から沢山のチョコを貰えたから、調子に乗ってるって言うのもあるけれど、オレが本当に楽しみなのはこれからで・・・
大好きな可愛い彼女と、この後、バレンタインデートが待ってるからで・・・
そんなオレの言葉に、英二先輩、余裕っすね、そう桃が苦笑いをする。
「それで肝心の小宮山さんからのチョコは、もう貰ったのか?」
「それはこれから!、そんでもって、璃音の家に行って一緒に食べるんだもんね!」
そう、今日はこれから彼女の家に行って、チョコを貰って一緒に食べるんだ!
チョコをくれた沢山の女の子達には悪いけど、やっぱり璃音のチョコがなきゃ、バレンタインは始まんないもんね!