第6章 【ライバル編】
「・・・えーじ・・・」
「おー、玲音!、起きたー?」
「・・・ん。」
えーじは相変わらずへらへらして笑ってる・・・
でも、おれを助けてくれたときのあの真剣な顔は・・・
凄くカッコ良かった・・・んだ・・・
「玲音、英二くんが助けてくれたんだよ?」
「うん・・・おとーさん・・・」
「英二くんにきちんとお礼を言いなさい。」
恥ずかしいけれど、やっぱりおれは大人だから、きちんとお礼は言わなくちゃ・・・
「えーじ・・・助けてくれて・・・ありがと・・・」
「ほいほーい、どういたしまして♪」
そう言ってニパッと笑ったえーじ・・・
いつもなら、あんなにいやな顔なのに・・・
不思議だけど・・・今は全然いやじゃない・・・
「本当にありがとうね、英二くん。」
そう言って、おかーさんがリビングに入ってきた。
「うんにゃー、もともとはオレが目を離したから・・・ごめんなさい。」
えーじがおとーさんとおかーさんに、謝っている・・・
えーじは悪くないのに・・・悪いのはおれなのに・・・
えーじ・・・勝手に帰ってきて・・・ごめんなさい・・・
いつも意地悪して・・・ごめんなさい・・・
りおんがえーじを好きなわけ・・・ちょっと解った・・・
おれはえーじの隣に座ってえーじを見上げる。
えーじはビックリした顔をして、そしてニィっといつものように笑った。