第6章 【ライバル編】
うわ!!えーじ、ひきょーだぞ!
ひょいっと荷物みたいに抱えるな!
「なにすんだよ!離せ~!下ろせ~!!」
「いいから、いいから~♪」
精一杯抵抗したけれど、力でえーじにはさすがにまだ勝てない。
「りおん~!りおん~!!」
手を伸ばして必死に助けを求めてんのに、ニコニコ笑顔で手を振られたら、おれは観念するしかないじゃんか・・・
公園まで来たところで、やっとえーじはおれを下ろした。
えーじがベンチに座って、おれに隣に座るように言うけれど、おまえの言うことなんかきいてやるもんか!
少し離れたところに座ってやる!
「・・・玲音、行きたいところはあるかにゃ?」
「・・・」
「公園は寒いしな~、デパートは混んでるだろうし・・・」
「・・・」
「あ、どっかでケーキでも食べるかにゃ?」
そんなに一生懸命、おれの気を引いたって、おれは返事なんてしてやんないもんね。
えーじがおれの顔を覗き込むたびに、おれはプイっと顔を背けて「フン!」をしてやった。
「玲音~?、欲しいものがあったら、オレが何でもかっちゃるよん?」
本当にしつこいやつだ。
だいたい、えーじは「ちゅうがくさんねんせい」の癖に、正しい日本語も使えないで、バカなんじゃないの?
りおんは何でこんなバカが好きなんだろう?
「・・・えーじ・・・」
「ん?、なになに?」
「・・・うるさい。」
「・・・」
えーじの顔が引きつっている。
ざまーみろ、悔しかったら、なんか言い返してみろよ!