第6章 【ライバル編】
朝起きたら家に大嫌いなえーじがいた。
「おおそうじのおてつだい」に来たらしい。
おとーさんもおかーさんも、ニコニコしちゃってさ、「やっぱり、男の子が手伝ってくれると助かるわ~」だって。
そんなやつに頼まなくたって、おれがしっかりお手伝いするのに!
タンスの移動だって、窓拭きだって、しつこい油汚れだって、えーじになんか頼らなくても、おれが手伝ってあげるんだ!
・・・なのに、みんなで困った顔しておれを見て、おとーさんがえーじに言ったんだ。
「英二くん、すまないが、玲音としばらく外で遊んでやってくれないか?」
それで、おれはえーじと一緒に「おおそうじ」が終わるまで、外で待っていないといけなくなったんだ。
「英二くん、玲音のこと、お願いね。」
「ほいほ~い、任せといてよん!」
「ほら、玲音、英二お兄ちゃんと仲良く遊んできてね?」
おれは、りおんの後ろから、えーじを睨み付けてやる。
いくらりおんに言われたからって、こいつと仲良くなんかするもんか!
「・・・やだ。」
「玲音、そんなこと言わないで、ね?」
「・・・やだもん!、えーじなんか大っ嫌いだもん!!」
「玲音!!」
りおんがいくら怖い顔して怒ったってしらないもん!
おれはえーじとなんか出かけたくないんだもんね!
「・・・ごめんね?英二先輩・・・」
「別に気にしないよん!ほら、玲音、行くぞ~?」
だからえーじとなんか行かないっていってるじゃん!
今度はりおんの後ろからべーっと舌を出してやる。