第5章 【誕生日編】
それから、璃音の家に寄ってみたけど留守だった。
もう1度、駄目元で携帯に電話してみたけれど、あっさり留守電に切り替わった。
時間を置いてもう2回・・・同じことの繰り返し・・・
これじゃ、まるでストーカーじゃんか・・・
♪~
しばらくして携帯が鳴って、慌ててディスプレイを確認すると、そこにあったのは桃の名前・・・
「・・・桃ぉ〜?」
「あ、英二先輩!、今、部活が終わってこれから越前たちとカラオケ行くんすけど、先輩も一緒にどうっすか〜?」
同情されているのか、面白がられているのか・・・
桃からカラオケの誘いの電話が来たけれど、そんな気分じゃないと断った。
ベッドに寝転がり、大五郎を抱える。
本当だったら今頃は、愛しい彼女を抱きしめている予定だったのに・・・
もう何日、彼女の声を聞いてないのだろう・・・?
もう何日、彼女の笑顔を見てないのだろう・・・?
もう何日、彼女に触れてないのだろう・・・?
たった数日のことなのに、何ヶ月にも、何年にも感じる・・・
「・・・もう駄目・・・充電・・・きれちった・・・」