第5章 【誕生日編】
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11月28日・・・今日はオレの誕生日。
最悪な気分のまま15歳になった。
本来なら可愛い彼女にお祝いしてもらえるはずだったのに、その彼女からは、結局、あの後ずっと避けられたまま・・・
何度も誤解をとこうと会いに行ったけど、会って貰えるどころか電話もメールも無視され続けた。
今朝も家まで迎えにいったけど、やっぱり先に家を出たらしい。
1人で寂しく登校すると、学校に着くなり女の子たちに囲まれて、たくさんのプレゼントを渡された。
いつもなら凄く嬉しいことなのに、今回はそれが余計にオレを落ち込ませて・・・
いくら女の子たちからプレゼントを貰えたって、大好きな璃音からもらえなかったら意味ないじゃん。
はぁー、そう大きなため息をついて席に着いた。
「おはよう、英二。」
「・・・不二・・・はよ・・・」
「誕生日、おめでとう。」
「ん、あんがと・・・」
「結局、小宮山さんと仲直りできなかったんだ?」
あぁそうだよ!仲直りどころか相手にもしてもらえないんだよ!
もうどうしろって言うんだよ・・・
お昼休み、いつもの待ち合わせ場所に行くけれど、やっぱり今日も来なかった。
お昼休みが終る頃、璃音の教室を尋ねてみたけど、教室にはいなかった・・・
放課後、部活に行く前に捕まえようと、もう一度いそいで教室に行ってみたけれど、HRが終ると同時に走って出ていったらしい。
だったら・・・そう部活に顔を出してみたら、海堂に今日は休むと連絡があったそうだ。
・・・とことん避けられてるらしい・・・