第5章 【誕生日編】
案の定、璃音の目からは沢山の涙がこぼれていて・・・
慌てて彼女に駆け寄ったけど、パシッとその手を振り払われて・・・
そのまま、璃音は部室から駆け出していく。
「待ってよ、璃音!・・・・うわっ!!」
慌てて追いかけたせいで、ボール籠に足を引っ掛けすっころんだ。
部室中に転がったボールを桃が踏んでバランスを崩し、そのまま海堂に体当たりした。
「あ、わりぃ、海堂!」
「痛ぇ・・・テメェ何しやがんだ!!」
「なんだよ、謝ったじゃねぇか!」
「それが謝っている態度か!?」
「あぁ!やんのか、コラァ!」
例によって例のごとく、2人がもみ合い慌てて大石とタカサンが止めに入る。
「おい、2人ともやめるんだ!」
「そうだよ、大石の言うとおりだよ、ほら、みんな部室を片付けなくちゃ。」
「あ、タカさん、それは・・・」
「オラオラ、カモーーーン!、燃えるぜバーーーニング!!」
「うわ!!おい、誰かタカさんもとめるんだ!!」
ボールと一緒に散乱したラケットを片付けようと、それを手にしたタカさんがバーニング状態になって自分を見失い、部室内だというのに手当たり次第にボールを打ちまくった。
「これはいったい、なんの騒ぎだ!」
そして、その1球がちょうど部室に入ってきた手塚の額に直撃した・・・
「「「・・・・!!・・・・」」」
「お前等・・・全員グラウンド20周だ!!」
結局、オレは璃音の後を追えなかった・・・