第4章 【ハロウィン編】
さすがに意地を張りすぎたかな・・・?
あんなに謝ってくれたのに・・・
「英二、今回はちょっと羽目を外しすぎちゃったね・・・でも小宮山さんならわかってくれると思うけど、悪気は無いんだよ・・・?」
「・・・不二先輩・・・はい・・・」
そうなんだよね・・・
英二先輩は悪気があってやったわけじゃない・・・
ただ純粋に楽しい事が好きな人・・・
思いついたことをあまり深く考えないで、即行動に移しちゃうのはちょっと困るけど、それは天真爛漫で素直だから・・・
それが先輩のいいところで、私はそんな先輩が大好きで・・・
「大石先輩、不二先輩、ありがとうございます。私、英二先輩のところに行ってきます!」
ぺこりと先輩達に頭を下げ、英二先輩のもとに向かう。
英二先輩・・・?、恐る恐るその背中に声をかけると、英二先輩がはっとして振り返った。
「璃音ちゃん・・・そ、その・・・オレ・・・」
「ごめんなさい・・・さっきは私、意地を張っちゃって・・・その・・・!!」
まだ話の途中なのに、英二先輩に思いっきり抱きしめられた。
いつもの軽いノリのハグではなく、たくましい腕で、力強く・・・
そして、耳元で・・・聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で、でもしっかりと・・・
「ごめん・・・璃音。」
え、今、英二先輩、呼び捨てにした・・・?
突然抱きしめられたのと、初めて呼び捨てにされたことで、ますます頬が熱くなる。
でも・・・真剣な英二先輩の態度が、凄く嬉しい・・・
「いいえ・・・私も悪かったんです。先輩が何度も謝ってくれたのに・・・私・・・」
「本当に・・・ごめん・・・」
先輩の背中に手を回し、しっかりと抱きしめ返した・・・