第4章 【ハロウィン編】
「~~~~~もう、知りません!!私、着替えます!!」
私が大きい声を上げたので、あれだけ盛り上がっていた店内が一気に静まり返る。
「え、えっと・・・璃音ちゃん・・・ご、ごめんにゃ?」
「もういいです!!他の『まともな!』衣装、無いんですか!?」
「・・・あ、あぁ、小宮山、このケースに入っているよ。」
慌てて大石先輩が衣装ケースを持ってきてくれたから、私の周りでオロオロする英二先輩を無視して衣装ケースを覗き込む。
「大石先輩、ありがとうございます!!私『自分で!』選びます!!」
「あ、あの・・・璃音ちゃん・・・?」
英二先輩が必死に言葉を捜しているようだけど、そんなのもう知らないもの!そう思って私は英二先輩に心を閉ざした。
「・・・英二先輩、嫌われたっすね。」
「完璧だな、あれはいけねぇなぁ、いけねぇよ・・・」
「そ、そんな~、お前等だってあんなに見てたじゃんか!!」
「だから、英二先輩があんな格好させるからっすよ?」
この期に及んでまだそんなことを言う英二先輩に、なんなの?って思いながらどの衣装にするか考える。
さっきは変な格好にさせられたから、魔女や妖精などのコスプレっぽいのは避けたい 。
あ!!これならいいかも?、不思議の国のアリスのような格好で、淡いピンクのスカートが可愛いし、メイド服のようなフリフリでもないし・・・うん、これにしよう。
「それでは着替えてきますから!」
璃音ちゃん、あの、そうまた英二先輩が慌てて何かを言ってきたけれど、完全に無視して別室へと入る。
こんな事なら最初から自分で選べばよかった、そう思いながら新たな衣装に着替えるとみんなの元へと戻る。