第4章 【ハロウィン編】
「ねぇ、英二、盛り上がっているところ悪いんだけど・・・」
そう後ろから声をかける不二先輩に、なんだよ、今いいところなんだから邪魔すんなよな!!そう英二先輩が私に抱きついたまま答える。
「別にいいけど・・・喜んでいるのは、英二1人じゃないみたいだよ?」
そう言う不二先輩の言葉に、え?って思って英二先輩と振り返ると、みんなが赤い顔をしていてこちらを見ていて・・・
「み、みんな、見るな~~~~~!!」
英二先輩が慌てて、私を隠そうとするけれど、時既に遅し・・・
マジマジとガン見する視線や、申しわけなさそうにチラ見する視線など、とにかく、みんなの視線が痛すぎて・・・
「クスッ、英二がその格好をさせたんじゃない。」
「そうっすよ~?」
「だから見るなったら見るなーーー!!!」
そんな大騒ぎの中、ずっと沈黙を保っていた手塚先輩が徐に口を開く。
「菊丸、このパーティーは確かお前が企画したものだったな?受験勉強の息抜きに・・・と言っていたが、まさか小宮山にこれを着せたいがため・・・ではなかろうな?」
「ギクッ、ま、まさか、そんなわけないじゃん・・・!」
手塚部長のメガネの奥から向けられる鋭い視線に、そう慌てて答えた英二先輩だったけれど、目は完全におよいでいて、その態度は明らかに動揺していて・・・
「この衣装は、この間、英二が学校帰りに立ち寄ったゲームセンターで手に入れた景品・・・その時にこの企画を思いついた確立・・・100パーセント!」
「乾~~~、なんでんなこと知ってんだよ~~~!!」
もう、会場はわけが解らない状態になっていて、そんな状況にだんだん気持ちは落ち着いて、そしたらフツフツと英二先輩に対して怒りが込み上げてきて・・・