第4章 【ハロウィン編】
とりあえず、みんな仮装をしているし、着るしかない・・・よね・・・?
なんとか着替えを済ませて勇気をだすと、みんなの待つ店の戸を少しだけあけてみる。
ちょっとだけ開けた隙間からお店を覗くと、ドアの前でウキウキして待っていたであろう英二先輩がすぐさま駆け寄ってきた。
「待ってたよ~ん♪、璃音ちゃん、速く速くっ!」
「ちょっ・・・英二先輩、ま、待ってくださ・・・」
英二先輩に手を引かれ、無理矢理お店の中へ引っ張られると、みんなの視線がいっせいにこちらに集中する。
「完ペキ、パーペキ、パーフェクト♪、やっぱり似合うと思ったんだよねっ!」
そういって英二先輩に抱きつかれると、頬がかぁ~っと熱くなり、ますます顔が赤くなっていく。
「ちょ、え、英二先輩・・・あ、あの・・・ハズカシイデス・・・」
「大丈夫だって!すんごく可愛いよ~?ねぇねぇ、こうやってにゃんって言って?」
真っ赤になって恥ずかしがる私には構わずに、英二先輩は顔の前で手をグーにして、ネコのポーズをとり、私に鳴いて欲しいととんでもないお願いをする。
「えぇぇぇぇ???」
「にゃん?」
「いや、だって・・・」
「にゃん、はぁ?」
「・・・・・・・・・にゃん。」
「うんにゃー♪」
そうまた抱きつかれながら、自分でもバカなことをやってしまったと自己嫌悪する。
でも英二先輩のあの笑顔でされる「お願い」は、どうして断れず、ついやってしまって たのだ・・・
本当、何やってるのよ・・・、そんな自分にため息をつく。