第4章 【ハロウィン編】
「うぉ!英二先輩、それピーターパンっすか?不二先輩はドラキュラっすね、2人とも似合うっすよ!」
「桃、サンキュ!衣装はこっから選んでね~、早い者勝ちだよん!」
そうウインクしながら言う英二先輩に、色々あるっすね~と桃ちゃんは真っ先に衣装ケースをのぞき込み、気に入った服を取り出した。
「おっ!俺これにしよう!」
「桃先輩は・・・騎士っすか?」
「マムシは海賊かぁ~?良いんじゃねぇか?バンダナにぴったりだしよぉ!」
「うるせぇ、黙って着替えろ、後が仕える!」
「・・・なんか、あんまいいのないっすね・・・」
「悪いな、越前、先に選んでしまって・・・」
そんな桃ちゃんと海堂くんのいつものやりとりを尻目に、1人テンションの低いリョーマくんを気遣って大石先輩が話しかけてきた。
「大石先輩、別にいいっすよ・・・でも、先輩・・・それ・・・殿様っすか?」
「はは・・・嫌だって言ったんだけど、英二がどうしてもってうるさくてな、でもなんでだろうな?」
さー・・・どうしてでしょうね・・・?、そう苦笑いしつつ、もちろんその場にいた全員の視線が、大石先輩の髪型に注がれていたのは言うまでもない。
「お!越前、ピエロなんていいんじゃないか?案外、似合いそうじゃん?」
「・・・遠慮しておくっス。」
「じゃあ、おまえサムライジュニアだし、大石先輩の殿様、譲ってもらえよ?」
「絶対嫌っス!!」
そんな桃ちゃんとリョーマくんのやり取りに、みんながお腹を抱えて笑い、見かねた河村先輩が、まあまあ、と止めに入る。