第4章 【ハロウィン編】
31日、ハロウィン当日。
部活終了後、、リョーマくん、桃ちゃん、海堂くんと一緒にかわむら寿司へと向かう。
かわむら寿司には本日貸し切りの札がでていて、玄関前はジャックオーランタンで華やかに飾りつけられていた。
既に引退した3年生の先輩方によって、すっかり準備は済んでいるみたい。
純和風のお寿司屋さんの軒先に、思いっきりアメリカナイズなハロウインの飾り付けは、はっきり言ってかなりミスマッチだけれど、そこは、ほら、ご愛敬ってやつ・・・よね?
「へぇ・・・思ったより本格的っすね・・・」
「あ、そう言えば、リョーマくんは本場のハロウィンを何度も体験しているんだもんね?」
「別に・・・面倒で参加したことない。」
お前、何のためにアメリカ住んでたんだよ!、そう桃ちゃんに突っ込こまれたリョーマくんが、ハロウィンのためじゃないっす、なんて答えながら、ガラガラと引き戸をあけた。
「・・・いらっしゃいませ~、喜んで~・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
引き戸を開けた途端、目に飛び込んできた光景に私たち4人は言葉を失い、それからすぐにその戸を閉めたのだった。
「今、なんか凄いのが見えたっス・・・」
「乾先輩・・・、白衣着てビーカー持ってなかった?・・・マッドサイエンティスト?」
「あれ、ぜってー、乾汁だよな?、おい!海堂!!お前から入れよ!」
「うるせぇ!何で俺が!!テメェが入りやがれ!」
あまりの恐ろしい光景にみんな自分から入る勇気がなく、そう譲り合い?をしていると、中から英二先輩と不二先輩が、あ、来た来た、と顔を出す。
「いらっしゃ~い!待ってたよん♪」
「英二、ハッピーハロウィン!だよ。」
そう言って出迎えてくれた先輩方に、ほっと胸をなでおろす。
先輩方はすっかり着替えを済ませており、自然とみんなのテンションもあがってくる。