第7章 truth
「俺は姉さんの死の真相を知りたい、政府が関わっているならその全てを突き止めたい。だから俺は審神者になった、審神者になれば政府の秘密を掴めるかもしれないと思った。そのためには、審神者の中でも上位につかなくてはならない。上位に行けば行くほど、政府の特別任務とやらが課せられるかもしれないからだ」
「あんたの姉が、そうだったからか?」
「ああ、その通り。姉さんは最も優秀な審神者だった。それ故に特別任務を言い渡されていた、こなせば多額の金を受け取れると知って受けていた。俺を……養うためだけに」
「理仁……」
「これは俺の個人的な戦いなんだ。お前達が気にすることでもないし、気遣うことでもない」
もう話は終わりだと言わんばかりに、理仁は湯から出た。水面は揺れて、波紋を作りまるで山姥切の心さえ揺らしているようにも思えた。立ち去ろうとする理仁に、山姥切は声を上げた。
「理仁! あんたはずっと、そんな思いを一人抱えて生きて来たって言うのか! 今日まで」
「……ああ、そうだよ」
理仁は立ち止まると、背を向けたまま返事をする。それが何となく寂しくて、山姥切もお湯から出ると、理仁の肩を掴んでこちらへと向かせた。