第7章 truth
「どうして、俺にそれを話してくれる気になったんだ」
「なんでかな……お前の想いに、応えたくなったのかもしれないな。頼ってくれって、想いに」
「なら、もっともっと最後まで頼れ!」
「……」
「俺も一緒にお前の求める答えを探し続ける、俺は……あんたの初期刀だからな。最後まで付き合ってやるよ」
「馬鹿だな、お前は……」
理仁は優しく山姥切の頭を撫でると、一人風呂場を後にした。一人残された山姥切は、再びお湯の中へと戻った。
「俺があいつを……守ってやるんだ」
彼の呟きを聞いた者は、誰もいなかった。
着替えを済ませて、理仁は自室に戻ると山姥切の言葉を脳内で反芻させながら、本棚に手をかける。隠していたのだろう、そこから茶封筒を取り出した。それは以前、佐伯から貰ったものだろう。まだ封は切られていなかった。
理仁は一瞬躊躇いながらも、茶封筒を開けた。中にある紙を広げて、目を通し始める。途端……理仁は目を疑うようなことが書いてあったことに酷く動揺し、紙を手から落とした。
「姉さんが……付喪神と闇落ちして、失敗したってどういうことだ」
時は満ち始めていた。