第7章 truth
「すまなかった、もう少し配慮する。今度からは一緒に戦場に……」
「ああもうそれはいい! 気が変わった! あんたはのほほんと本丸で、俺達の帰りを待っていればいいさ! あんたみたいな柔い奴がいると、その……すぐ死なれちゃ困るしで、戦いにくい」
「……。それもそうだな」
和泉守は、むっと口を尖らせては仕返しとばかりに、理仁の頭に両手を伸ばしてわしゃわしゃと少し乱暴に髪を乱し撫でた。
「おい……ッ、やめろ和泉守! 乱れる!」
「もう寝るんだから別に乱れてもいいだろうが。あーあ、やっぱ言いたいこと言うとすっきりするな。実感したわ」
よいしょ、と和泉守は満足したように立ち上がった。優しい眼差しを向けられて、理仁は直感で「もう大丈夫だな」と感じた。
「仕方ねぇから、この和泉守兼定様がてめぇの手足となり、しっかり務めを果たしてやるよ! あんたの代わりに戦場で暴れてやるから、まぁ……俺がまた暴走しそうになったら、止めてくれや」
「もう今日みたいなのは御免だな」
「はっ……上等だ! それと……俺達に頼れ、なんて俺が言える立場じゃねぇし言うつもりもないが。少なくとも、もっと山姥切には頼ってやれ」
「国広にか?」
「あいつはたぶん、あんたが思っている以上にちゃんとあんたのこと見てくれてるぜ。信頼していいと思う」
「そうか」
和泉守は「じゃあな」と笑顔を向けた後、背を向けたまま手を振って去って行った。
完全に和泉守が去ったのを確認した後、理仁は口を開いた。