第7章 truth
「お、おい! なんだよ!?」
「……お前達は、そうやって感情的になりやすいからな。情熱があることはいいが、それで今日みたいに周りが見えなくなったら意味がない。俺はその抑止力になれればいと思う」
「……どうしてだ。俺は、あんたと……一緒に戦いたい」
「ああ、その気持ちは嬉しいよありがとう。でもな、一人くらい俺みたいな奴がいてもいいとは思わないか?」
「は……?」
「俺は俺のやり方で、冷静に戦況を見極めて駒を進める。お前達が全力で戦えるように、何も考えなくていいように。そういう考える役割は、俺に任せればいい。俺はお前達に、思う存分刀を振るってほしいと思う。それは俺のためでなくていい、自分自身のためでいい。……だがそれも、言わなければわからないよな」
「……わかるわけねぇだろ、馬鹿野郎」
和泉守達が炎であれば、差し詰め理仁は水だろう。例えばもし、また今日みたいなことが起きた時誰がそれを鎮火することが出来るのだろうか。誰も冷静に戦況を把握することが出来なければ、勝機は失われるだろう。
理仁からすれば、自分のやり方は和泉守達を安心して戦わせたいという思いからだった。彼らがしっかりと安心して戦えるようにサポートをする、それが自分の役割だと勝手に決めて実行していたわけだ。
勿論、そんなこと知る由もない和泉守達からすれば、何を考えているのかわからない主と思われても仕方ないだろう。