第7章 truth
「あんたはすげぇよ、ちゃんと審神者やってると思うし、練度が低い俺達をあの演練会でよく上手く使ったと感心もしてる。でもあまりにもあんたが器用すぎて、俺は……それが胡散臭いと思えたんだ。んな器用にこなす人間なんていないって、決めつけた」
「おう……」
「一緒に戦っているようで、そんな気がしなくて……それはあんたが俺達と一緒の戦場にいないからだと思った。あんたは銃も使えて、戦う術も持っているのにどうして一緒に来てそこで指示をしてくれないんだと苛立った。それはあんたが、死ぬのが怖いから安全な場所にいたくてそうしないんじゃないかと疑った」
和泉守は顔を上げて、理仁を見た。彼の真剣な眼差しに応えるように、理仁もまた和泉守に向き直る。
「でも俺は全部自分の中で完結させて、あんたの感情を言動を全て決めつけていた。その結果がこれだ……本当に悪かった」
「いや、別にお前が謝ることじゃない。俺が主として、未熟だったせいだ。俺の方こそ、そんな思いを抱かせて悪かったな」
「違う……! あんたは、謝らなくていいんだ……その代わりに教えてくれ」
「何をだ? 答えられる範囲なら、いいんだが」
「どうしてあんたは、ずっと本丸から戦場を眺めていた?」
理仁は一度軽く目を伏せたが、すぐに和泉守へと視線を戻す。そして何を思ったのか、和泉守へと手を伸ばしてわしゃわしゃと髪を撫で始めた。