第7章 truth
「まぁ、確かに山姥切の意見も一理ありだからな……。そうだな、言わないと何にもわかんねぇよな……ははっ、人の身体を得て初めていろんなことを考えられるようになって。声が出せて……あーあ、難しいな。生きてみるってのはよ」
「そうかもな。でも俺達はまだ、生きてる。折れてない。なら……いくらでもこれから、沢山考えられるさ」
「それもそうだな」
――刹那、和泉守は思い切り山姥切の身体を押し退けた。
「……和泉守?」
何が起きたのか理解するよりも先に、和泉守の身体に刀が突き刺さったのがわかった。それはまるでコマ送りのようで、ゆっくりと和泉守の身体を貫いて……彼の身体は静かに地に沈んだ。ばしゃりと、血の音と混ざり合いながら。
「和泉守……っ!!」
山姥切が叫んだ途端、一体の大太刀が和泉守の背後から現れ山姥切と対峙する形になる。突然の襲撃に、山姥切は応戦しようとするが身体はすぐにはそのモーションを取ることが出来ない。
このままでは、和泉守共々ここで……っ――山姥切は視界に大太刀の刃を捉える。
「伏せろ、国広」
すっと耳に飛び込んできた声に、身体は思ったより瞬時に反応出来た。無意識に身体がその声に従うように、伏せた。
すると……――つんざくような銃声音が数度響いたかと思えば、目の前の大太刀が足から血を流し崩れ落ちていた。そして、伏せる山姥切の上を誰かが飛び越えた。