第7章 truth
「それがどうした」
「今時の審神者が戦闘技術を兼ね備えているのには、確かに驚いたし感心はした。けど……ならあいつはなんで、俺達だけを戦場に送り込む? どうして共に戦おうとしない」
「それは……」
確かに和泉守の言う通りだ。まったく戦えない審神者であるなら、本丸に待機というのも頷ける。だが理仁は違う、ある程度の戦闘技術を持ち合わせていると見えるし、三日月相手に臆すことなく対峙した姿は見事なものだったろう。
「戦う手段を持ちながら、本丸にずっといるのはやっぱり怖いんだろう? 戦うことが、そして死ぬことが。そりゃそうだよな! 俺達と違って、あいつは死んだらそこで終わりなんだからな。そりゃ本丸でお留守番したくもなるだろうさっ」
「和泉守……ッ!」
「なんだよ、てめぇだって本当は心の底では同じことを思っていたんじゃないのか? 俺達が主と呼ぶあの男は、結局自分が一番可愛くてだから戦えるのに戦おうとしない腰抜けだってな!」
「……ッ!!」
山姥切は思い切り和泉守の胸倉を掴むと、そのまま力任せに押し倒した。和泉守も抵抗するように怖い顔になり、強く山姥切を睨み付けている。