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刀剣乱舞 盤上のクロッカス

第3章 visitor



「俺の聲にどうか応えてくれ……堀川国広っ!」


 浮かんできた言葉をそのまま、理仁が口に出す。すると、桜吹雪と共に刀に光が宿り少しずつ人の形となる。風が止み、桜がふわりと舞えば姿を見せるのは一人の少年。


「すみません! えっと、こっちに兼さ……ああいや、その、和泉守兼定は来ていませんか? あっ、僕は堀川国広と言います。宜しく」


 爽やかな笑みを向ける少年、名を堀川国広。その名に覚えがあった理仁は、ぽつりと「土方歳三の……」と言葉を漏らした。


「あ、はい! そうなんです。兼さんと一緒で、土方歳三が使っていた脇差です。ん――、僕が本物の国広かどうかは、はっきりと答えることは出来ないけど少なくとも兼さんの相棒で、助手ってのは本当だよ」

「国広……」


 思わず理仁は山姥切へと視線を向けた。すると、思い切り嫌そうな顔で逸らされたのでこの話題は彼に振ってはいけなさそうだ。終始、堀川はにこにこしていた。


「じゃあ、堀国」

「ほ、堀国……?」

「お前のあだ名だ。二人国広がいるってのもそうだが、悪いが個人的に堀川という名前が好きではなくてね。というのも、昔小学校の頃に堀川という奴がいてな。そいつが……」

「ほ、宝条様。その話、今必要ですか?」

「……。いらないな、すまない。また聞きたくなったら、言ってくれ」

「いえ、大丈夫……だと思うよ。たぶん」

「それと、お前が先程言っていた兼さんという人だが、生憎ここには来ていない。そうだな、もう一度くらい鍛刀をするか」


 こんのすけは尻尾を振りながら、やる気十分の理仁に「お!」と嬉しそうに声を上げた。


「やる気になって下さってるみたいで、何よりです。いっそのこと、今後の演練に備えて刀を六振り揃えてみてはいかがですか?」

「そうだな、そうしよう」


 ということで、初期値レシピで理仁は鍛刀をして六振り揃えることなる。残り、四振り。理仁はタブレットを使って鍛刀場を四つ一気に使えるように拡張機能を使う。お金を投資することで。こうして四つ、新しく打たれた刀も理仁が霊力を吹き込むことで、その姿を現した。

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